ワキガ(腋臭症)とは
ワキガ(腋臭症)とは、腋の下で特有のにおいが発生する症状のことを言います。ワキガは男女とも発生するものとされており、近年ではワキガ治療を受ける方が増えています。 ワキガの原因は、腋毛の下にあるアポクリン腺から出る汗とされています。ワキガ体質の方は、皮膚の表面でアポクリン腺から分泌される汗が細菌に反応して分解することによって不快なにおいを発生させます。
ワキガには遺伝傾向があり、ご家族にワキガの方がいるというケースも多いです。
ワキガはどんなにおい?
人によってにおいの感じ方は異なりますが、ツンとくるようなにおいがすることから、一般的にはスパイスなどの香辛料のにおいに例えられる場合が多いです。
その他、硫黄のようなにおいや、鉛筆の芯のようなにおいに例えられる場合もあります。
原因
ワキガのにおいは、アポクリン腺から分泌される汗が細菌によって分解されることによって発生します。
アポクリン腺から分泌される汗にはタンパク質や脂質等が含まれており、それが細菌によって分解されることで独特ないおいが発生します。
アポクリン腺は腋などの特定の部位の毛包付近に存在します。
ワキガは自力で治る?
ワキガを自力で治すことはできません。
ワキガの原因はアポクリン腺から分泌される汗にありますが、ワキガを根本的に完治させるには、腋の部分のアポクリン腺を取り除くか、再生しないように破壊することが必要です。
ニオイの元から除去できる
「ワキガ手術」の方法
剪除法(皮弁法)
剪除法とは、ワキガの原因であるアポクリン腺を根本から除去する手術です。
吸引法
吸引法とは、皮膚に数ミリ程度の切開幅を開けて、そこからアポクリン腺を吸引する手術です。
ボトックス
(ボツリヌストキシン注射)
ボトックスとは、ボツリヌス菌がつくるボツリヌス毒素のことで、この毒素を腋に注射してアポクリン腺からの汗の分泌を抑える治療法です。
ワキガ手術のデメリットは?
失敗・後悔する?
デメリット
剪除法はワキのシワに沿って約5cm程度切開して、皮膚を反転させアポクリン腺を取り除いていきます。取り除く量が少ないとニオイが残ります。逆にしっかりとアポクリン腺を取り除くとニオイは消えますが、皮膚が薄くなるために壊死・潰瘍になるリスクが高まります。この場合は軟膏で処置してキズを治していきます。
手術後のダウンタイムも必要で、術後には患部を圧迫するテーピングを行って手術部位を完治させるようにします。
テーピングは抜糸までの期間行う必要があり、腕の上げ下ろしにも影響があります。肩は安静に保ってください。
また手術痕が残るというデメリットもあります。
メスを使った治療を行うものですので、手術痕をまったく残さない手術は不可能であり、その点の受け入れが困難という方にはおすすめできません。
失敗するとどうなる?
ワキガ手術後に「失敗では」と感じられるケースとしては以下のものがあります。
- 術後しばらくしてにおいがするようになった
- 術後もにおいが残っている
- 腕に違和感がある
- 腋のにおいは気にならなくなったが、皮脂のにおいが気になる
失敗の原因
アポクリン腺が残っている
ワキガを完治させるためにはアポクリン腺を除去することが必要ですが、これには目視により丁寧にアポクリン腺を除去していくことが必要です。
医師の経験が浅いと、取り残しや切開部分から遠い部分を除去しきれないことがありえます。
その場合、においの原因となるアポクリン腺が術後も残り、においも残ってしまうことになります。
傷を小さくしすぎて効果が減った
ワキガの手術ではメスによる切開が必要になりますが、術後はどうしても手術痕が残ってしまいます。
少しでも手術痕を目立たないようにしようとして、メスによる切開部分を小さくし過ぎてしまうと、切開した傷から周囲の皮膚を剥離・反転して、そこからアポクリン腺を除去する場合に取り切れない部分が生じてしまうことがあり得ます。
アポクリン腺を取り切れない部分があると、においも残ってしまうことになります。
ワキガ手術で起こり得るリスク
術後に傷が残る
ワキガ手術は腋の皮膚を切開してアポクリン腺を除去する手術ですので、術後はどうしても手術痕が残ります。
手術後は時間の経過とともに傷跡も目立たなくなりますが、患者様によっては体質の関係で傷跡
が目立つ状態が続くこともあります。
術後は生活に支障が生じる
ワキガ手術後は患部をテーピングにより固定するため、腕を動かしにくくなります。
抜糸が終了するまでの間は、極力安静にする必要もあり、どうしても日常の生活への影響が避けられません。
副作用・合併症
感染・化膿
稀なケースではありますが、患部に血種ができた後で細菌に感染して化膿する場合があります。
その場合は化膿した部位を切開し、軟膏を塗布して清潔を保つようにします。
テープかぶれ
テーピング時のかぶれによって皮膚表面の剥離や水疱ができることがあります。
その場合はステロイド剤の軟膏を塗布して治療します。
血腫
血腫とは手術で皮膚を剥離した部位に血液が溜まる状態のことを言います。
その場合は血腫を除去します。術後の安静が不十分な場合に見られます。
皮膚壊死
ワキガ手術ではアポクリン腺を除去しますが、完治のために徹底して除去すればするほど皮膚へのダメージが大きくなります。
場合によっては皮膚の限界を超えて一部が壊死してしまうこともあり、その結果一部欠損してしまうこともあります。この状態を潰瘍といいますが、その場合は軟膏の塗布により周囲の皮膚が増殖して欠損部を埋めるのを促します。
創し開
皮膚の切開部の傷が開いてしまうことです。
程度が軽い場合は、軟膏塗布により治療します。
程度が大きい場合は、通院による治療が必要です。
ワキガ手術のダウンタイム
剪除法(皮弁法)
痛みが1週間ほどありますが、抗生剤と痛み止めの服用により痛みは軽減できます。
術後の腫れのピークは手術当日から翌日までです。
1週間ほどで消失していきます。
施術時間 | 約90~120分 |
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麻酔 | 局所麻酔 静脈麻酔も可能 |
入浴 | シャワー:翌日から 入浴:抜糸後翌日から ※脇は強く洗わないようにしてください。 |
運動 | 激しい運動は抜糸2~3週間後から |
抜糸 | 手術10~14日後に抜糸 1・3・6か月後に検診のための通院が必要です |
吸引法
ダウンタイムは2~3日です。
約1週間は痛みが残りますが、痛み止めで鎮静が可能です。
施術時間 | 約30~40分 |
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麻酔 | 局所麻酔 |
入浴 | シャワー:翌日から 入浴:抜糸翌々日から |
運動 | 激しい運動は抜糸2~3週間後から |
抜糸 | 手術7~9日後に抜糸 1か月後に検診のための通院が必要です。 |
費用
メニュー | 料金 |
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腋臭剪除法 | 198,000円 |
腋臭吸引法 | 165,000円 |
※税込価格です。